1分で読める書評 -kasablog-

さらっと読める書評。1日1冊ペースで更新しています。

【書評】右脳思考

今日読んだ本はこちら。

 

 

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右脳思考

右脳思考

  • 作者:内田和成
  • 発売日: 2018/12/26
  • メディア: 単行本
 

 

おススメ度(5段階)

★★★★

学んだこととか感想

ロジックがいくらしっかり通っているだけでは、人を動かすことはできないので、ビジネスマンたるもの、感情を動かせるような仕事をしようね、という話。

インプットは「右脳」で、つまり、直感とか好き嫌いが結構大事。でも、思いつきだけじゃもちろんだめで、それをしっかり「左脳」で検討・分析して、提案に耐えうるものにする。最後はまた「右脳」で感情などの人が動く部分に訴えて、腹落ちさせるのがいいよ、という本。

今、まさに新卒研修とかでこの4月中に「ロジカルシンキング」とかを学ぶ新卒や、頭でっかちで批評家・評論家的な中堅層に読んでほしい。

ただ、この本で言っているのは「右脳も左脳も両方使うことが必要」ってことで、直感で仕事しろって言ってるわけじゃないので注意。代替の人は直感で仕事をするのはいつでもできるので、まずは「ロジカルシンキング」つまり「左脳」を徹底的に鍛えたほうがいい。

僕は、前著である「仮説思考」「論点思考」における「筋のいい仮説を作る」とか「論点に当たりをつける」ということを補完する書籍だったと思ってるので、三冊セットで読むのがおすすめ。


読んだきっかけ

同著者の名著「仮説思考」「論点思考」を読んでたので。図書館にあった。

tsukasakasaoka.hatenablog.com

tsukasakasaoka.hatenablog.com


Amazonの紹介文(転載)

 

優れたビジネスマンは
勘で仕事する!

「なんか、変だぞ」「これは面白い」……。
本物の経営者は思いつきやひらめきを大事にしている。
生産性と創造性が劇的に上がる思考法を解説。

著者・内田和成氏が経営コンサルタントの仕事を通じて、優れた経営者から学んだのは、彼らは経験や直感を大切にしているということである。大改革を成し遂げた経営者、ユニークな戦略で自社を飛躍させた経営者に、「なぜ、そのような意思決定をしたのか」と尋ねると、「勘です」とか、「答えは誰もわからない、やってみるしかない」という回答をもらうことが多い。
「優秀なコンサルタントもいきなりフレームワークから持ち出さない」とも述べる。左脳的に分析を始めたり、プレゼンテーションをするのはあまりお勧めできない。

本書で伝えたいのは、ロジカルシンキングの否定ではない。ロジックに加え、感情や勘、すなわち右脳を働かせることで仕事をより効率的に進める、あるいは、成果をあげられるということだ。
「勘や感覚よりもロジックが大事」というのはビジネスの常識。
勘・感覚は右脳的、ロジックは左脳的。ビジネスは左脳重視の世界だ。
本書はこの常識に挑戦する。ロジックの権化と言われる戦略コンサルティングファームのトップを務めた著者は「右脳も大事」と説く。コンサルタント時代から右脳重視派だった著者が右脳・左脳の使い分け方、使うタイミングを解説する。 生産性と創造性が劇的に上がる1冊。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

僕はそもそも右脳思考で、ロジックはできないわけじゃないけど苦手、嫌いなので、あまり大きく変化させる必要はなさそうだと思ってる。でも、もっと好き勝手言っていいな、とも思ったので、引き続き自分の気持ちを大事にして生きていきたい。

【書評】自信をもてない人のための心理学

今日読んだ本はこちら。

 

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自信をもてない人のための心理学

自信をもてない人のための心理学

 

 

おススメ度(5段階)

★★★★

学んだこととか感想

フランスの精神科医の先生が書いた本で、「多くの悩みは自分に自信がないこと」から生じるので、それを克服するための方法が紹介されてる。

 

まずは自信を持てなくさせる7つの〈思い込み〉として、

  1. 私には能力がない
  2. いつでも人から愛され、認められなければならない
  3. 私はダメな人間だ
  4. 何事も完璧にやらなければならない
  5. いつも正しい決断を下さなければならない
  6. 世の中は危険に満ちている
  7. 人を信頼してはいけない

が代表例として紹介されていて、その原因や対応方法を解説してくれる。これがなかなか読みやすいし、しっくりくる感じある。

また、自信とは〈自己評価〉〈行動〉〈自己主張〉から成り立っていて、それが相互に関係しているので、それぞれを強化するトレーニングを積むと自信を持つことができる、というのはとても明解でいいと思う。

やってることは、認知行動療法で紹介されるようなことなんだけど、小難しい言葉を使わずに説明されてるので、理解しやすい。

〈行動〉のトレーニングは「イメージトレーニングをしてみる」とかなんだけど、確かにこういうシンプルなことが効果があるし、コーチングでも使うよな、と。

個人的には、日本人は自分の意見を主張する人が少ないので、〈自己主張〉のところのメソッド(4つのステップ)を多くの人に知ってもらいたい。

・ステップ1:それをしなかったと時におこる良くない状況を想像する

・ステップ2:それをするのを邪魔するネガティブな考えを追い払う

・ステップ3:リストを作って、できそうなものから並べてみる

・ステップ4:リストの中のできそうなものから、実際にやってみる


読んだきっかけ

安心の図書館で発見。目に付いたから借りた。


Amazonの紹介文(転載)

あなたの人生を難しくしている〈思い込み〉から自由になろう。
自信は、〈自己評価〉〈行動〉〈自己主張〉から成り立っている――自分で簡単にできる心のトレーニングで自信を育て、悪循環から抜け出す方法を、精神科医が豊富な事例と図表でやさしく説く。
5か国語で刊行、フランスのロングセラー。


この本を読んで、どう行動を変えるのか

コーチングのセッションで、クライアントさんに何かを要望するときに、この領域の知識を知っておくことはとても役立ちそう。

【書評】イノベーションのジレンマ

 

今日読んだ本はこちら。

 

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おススメ度(5段階)

★★★★

 

学んだこととか感想

ものすごく有名な書籍だけあって、さすがに、ビジネススクール的な話としては学びが詰まってる。大企業は、今儲かってるやり方でトップラインを伸ばすほうが効率がよくて、そこが足かせになるから、いくら技術研究に投資してもうまく市場を取れない。

一方、それだけじゃなくて、どういう組織にして、イノベーションを任せれば、破壊的技術の市場でリードできるか、も説いていて、問題意識を投げかけるだけじゃないところが名著と言われる所以なんだろうな。

洋書らしく事例や根拠が豊富で、信頼できる論理。なんとなく成果が出た人が考えてることを文章にしたようなビジネス本とは根本的に違う。

ただ、この知見を活かす機会に恵まれるのは、きっとほんの一握りの経営者や大企業の事業責任者だけだろうとも思う。こういう構造になっていることを知ったからって、何かを変えられる立場にいる人は少ない。

そういう意味で、とても価値ある書籍だと思うけど、今の自分には、活用できる範囲が少ないな、とも思ってしまう本だった。


読んだきっかけ

図書館で見かけて。さすがにタイトルは知っていたけど、ちゃんと読んだことなかったので読んでみたくなった。

Amazonの紹介文(転載)

「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」
業界トップ企業が、顧客の意見に耳を傾け、新技術に投資しても、なお技術や市場構造の破壊的変化に直面した際、市場のリーダーシップを失ってしまう現象に対し、初めて明確な解を与えたのが本書である。
著者、クリステンセン教授が掲げた「破壊的イノベーションの法則」は、その俄に信じがたい内容にも関わらず、動かしがたいほどに明晰な事例分析により、米国ビジネスマンの間に一大ムーブメントを引き起こした。
この改訂版では、時代の変化に基づく情報更新と破壊的イノベーションに対応するための組織作りについて、新章が追加されている。
【原書タイトル】The Innovator's Dilemma


この本を読んで、どう行動を変えるのか

 上述のとおり、すぐには活かせそうにない。あるとしたら、自分がHRBPをやるようになったときに、組織構造を考える上での参考にはなるかも。

あと、伸びそうな株を見つけるのにも役立つ。破壊的技術の領域でリードを取れる会社がわかれば、株価は間違いなく上がるから。

 

【書評】スタンフォード大学 マインドフルネス教室

 

今日読んだ本はこちら。

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おススメ度(5段階)

★★★★★

 

感想

マインドフルネスとは何か、を学ぶというよりは、マインドフルネスが他の知恵とか態度とどうつながっているかを教えてくれる本。入門書ではなく、マインドフルネスについてある程度知見があったり、学んだりしたことある人向け。

そういう人にとっては、ものすごく学びが多いと思う。また、さっと読んだだけじゃわからないこともある。実際僕もわかってないことがいくつかある。

マインドフルネスって、ただ瞑想してなんとなくすっきりする、という程度の話じゃなくて、全部とつながっているんだ、ということに気づかせてくれる、いい本だと思います。

マインドフルネスは自分が学んできたいろいろなものとつながっている。Authenticityの話は「人生の目的」を考えるコーチングとリンクするし、絆の話はアドラー心理学と言っていることが近い。傾聴はコーチングそのものだし、受容のところでACT(アクセプタンス & コミットメント セラピー)が紹介されるのもびっくり。感謝の話は、組織開発で学んだアプリシエイティブインクワイアリーとつながっていた。

義理・人情・責任とマインドフルネスが関係してるって話が最後にあるんだけど、ここは良くわからなかった。


読んだきっかけ

マインドフルネスは興味があって、ずっと瞑想に取り組んでいるので。会社でも、マインドフルネス部を作って活動しています(怪しい宗教活動じゃないよ)。

 

どんなことが書いてあるか

  • マインドフルネスとは何か(いま、ここに集中すること)。
  • マインドフルネスに取り組むと、集中力が上がったり、免疫が上がるなどいいことがたくさんある。それは科学的にも根拠がある。
  • リーダーシップや子育てにも使える。
  • マインドフルであることは、初心を保つことや、自分の人生の目的とつながること、周囲とつながることと密接な関係がある。
  • 傾聴は、マインドフルネスになること。相手の話に評価判断なく集中すること。

などなど


この本を読んで、どう行動を変えるのか

いまも取り組んでいるけど、毎日10分瞑想すること。これがすべての基礎になる。

【書評】クライアントの満足を10倍にするカウンセリングとコーチングの合わせ技

今日読んだ本はこちら。

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おススメ度(5段階)

★★★


感想

なんかもうちょっとコラボレーションみたいなことがいっぱい書いてあることを期待して読み始めたけど、そんなに合わせ技の話はなかった。コーチがカウンセリング学ぶ(またはその逆)がどういいか、くらいの話にとどまる内容で、もうちょっと踏み込んでほしかったな。

僕にとっては、カウンセリングのほうはまだまだ馴染みのない領域で、その手法については勉強になったけれど。この本でとくにコーチングと相性がよいものとして紹介されてた「インナーチェンジングセラピー(感情処理法)」についてはもうちょっと学んでみたいと思った。


読んだきっかけ

図書館で見かけて。コーチだし、こういうこと知っておいてマイナスは一切ないので。

どんなことが書いてあるか

  • カウンセリングそのものと、歴史について。認知行動療法などの心理療法の紹介。
  • インナーチェンジングセラピー(感情処理法)が結構効果的。インナーメッセージを変える→感情処理→愛着のカウンセリングの順。感情処理というのは、とにかく感情を感じて吐き出してもらうもの。何度か徹底的にやるとスッキリする。
  • コーチングについて。どんなコミュニケーションなのか、紹介。
  • カウンセラーがコーチングを学ぶと、これまで対応できていなかった、自己実現とかそういう領域でもクライアントに貢献できるようになる。
  • コーチがカウンセリングを学ぶと、不得意な分野に対応できる。インナーチェンジングセラピーを使うといい(理由はあんまり書いてなかった)
  • コーチもカウンセラーも、ちゃんと学んで、クライアントに貢献できるようになろう。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

これを読んで変えるわけじゃないけど、臨床心理の領域はちゃんと学ぶ。春から放送大学に通うのもそれが目的。切っても切り離せない領域。

【書評】読みたいことを、書けばいい。

今日読んだ本はこちら。

 

 

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読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

  • 作者:田中 泰延
  • 発売日: 2019/06/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 


おススメ度(5段階)

★★★★★

感想

タイトルの通り。要約すると「調べろ」。

かなり砕けた文章で、どんどん笑わせながらも、文章を書く上でとても本質的なアドバイスをくれる。文章を書くのであれば、一度読んでみて損はない。

「わかりやすい文章術」とか「伝えたいことが伝わる文章術」みたいな話じゃなくて、もっと根本的な部分で「なぜ書くか」「何を書くか」「どう書くか」を教えてくれる。

たぶん、想像するより10倍はふざけた文体、内容なので、楽しみにしてほしい。


読んだきっかけ

本屋で平積みされてた。「素敵な文章を書きたいなぁ」と思ってたところだったので。


どんなことが書いてあるか

  • 何を書くのか。ネットで読まれる文章は「随筆」で、「随筆」は、「何かの出来事とか事実に対して、思ったことを書く」もの
  • 誰に書くか。自分が書きたいものを書けばいい。誰も書いてない、自分しか書けないものを、自分に向けて書こう
  • どう書くのか。物書きは「調べる」が仕事の99.56%。書く対象の一次資料に当たって、愛して、自分の思ったことを書く。
  • 書き方は、起承転結でいい。
  1. 起:実際の経験だという前置き。「今日、Aを見た」
  2. 承:具体的に何があったか。「Aの本質はX」
  3. 転:その意味は何か。テーゼ化。「XはBにも当てはまる。全部X」
  4. 結:感想と提言。ちょっとだけ。「これって○○だなぁ」
  • なぜ書くのか。生き方。自分が正しいことを証明する手段。起業みたいなもの。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

調べることと、起承転結で書くことを意識する。そして、書き続けること。これに尽きるね。あとは、笑える文章を心掛ける。これが一番難しいんだけど。

 

【書評】企業変革力

今日読んだ本はこちら。

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企業変革力

企業変革力

 

 
おススメ度(5段階)

★★★★

感想

言わずとしれた、組織の変革の8ステップについて解説した有名な本。大学の授業などでも紹介されているので、知ってる人も多いと思う。

ただ、良いこと言ってるんだけど、速読レベルでは、世の中にまとまってる以上の情報を得ることは難しかった。世の中のまとめが秀逸。

もっと深いところまで企業変革とか組織変革について知りたい人はじっくり読むといいと思うけど、まずはネットとかで情報探してみるので十分なんじゃないかな。


読んだきっかけ

こんな有名な本だと知らずに昔買って、家に置いてあったのを再読。本を開くまで、この内容だということは覚えてなかった。


どんなことが書いてあるか

僕が一生懸命まとめるより、こういうまとめを読んでもらったほうがいいね

globis.jp


この本を読んで、どう行動を変えるのか

やっぱり、危機意識の共有だろうなぁ。そのために、まずは自分が危機意識を持つことが大事かもしれない。大きな企業に所属させてもらっている今は、ややもすれば安穏としてしまいそう。経営陣からはたびたびメッセージがあるけど、あらためて「現状維持は衰退」を意識する。