1分で読める書評 -kasablog-

さらっと読める書評。1日1冊ペースで更新しています。

【書評】セルフ・アウェアネス

今日読んだ本はこちら。

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セルフ・アウェアネス (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])

セルフ・アウェアネス (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])

  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 


おススメ度(5段階)

★★★★


学んだこととか感想

セルフ・アウェアネス(自己認知)に関して、関係ありそうな書籍や論文の該当部分を抜粋してまとめて紹介してくれる本。このシリーズは、本読む時間ない人にはおススメ。

自己認知を高めるとどんないいことがあるか、逆に自己認知が低いとどんな悪影響があるか教えてくれるだけじゃなくて、それを高める方法も教えてくれる。

自己認知には、「内面的」自己認知と「外面的」自己認知があって、内面的なほうは内省で、外面的のほうはフィードバックによって高まる。

一番学びだったのは「内省は、『なぜ』ではなく『何』」を問うと効果がある、ということ。「自分が、これを嫌だと思うのはなぜだろう?」じゃなくて、「何が自分をこんなに嫌な気持ちにさせるのだろう?」と問うといい、ということ。

フィードバックも「わたし、どうですか?」と尋ねるんじゃなくて「私がひとつ改善するとしたら何ですか?」と聞いたほうがいいそうだ。

このあたりのわかりやすいtipsを得る意味でも、結構おススメだと思う。


読んだきっかけ

EI(Emotional Intelligence, EQって言葉はIQの対義として日本語でだけ使われてる)関連に興味があるので、広く読んでる。緊急事態宣言で図書館もしまっちゃったので、購入しちゃった。


Amazonの紹介文(転載)

ダニエル・ゴールマンは、EI(感情的知性)の第一の因子としてセルフ・アウェアネスを挙げ、またスタンフォード大学経営大学院の調査でも、リーダーが伸ばすべき最大の能力の筆頭に挙げられています。自己認識抜きにして、望むような就職や転職、キャリア構築もままならないでしょう。とはいえ、自己と向き合うのはなかなかハードな行為であり、また直接的な効果がわかりにくいため、なかなか取り組みにくいのもたしかです。本書では、セルフ・アウェアネスの必要性から簡単なテクニックまで広く紹介します。


この本を読んで、どう行動を変えるのか

内省の時間を持つこと。自分の学びを毎日15分振り返る時間を持つと、それだけで生産性が23%も上がるそうだ。15分の投資対効果としては非常に大きい。

 

【書評】なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?

今日読んだ本はこちら。

 

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なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?

なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?

 


おススメ度(5段階)

★★★


学んだこととか感想

まず、中身はとっても興味深いんだけど、日本語訳が拙いので、とっても読みづらいのが残念な点。原著がコメディタッチで描かれているところも多くて、訳しづらいんだとは思うけど。あと、邦題をこれにしたのも良くない。「yes, and」という原題のほうがよほど言いたいことが伝わると思う。だから★3つにしました。

 

文句ばっかり言っててもしょうがない。即興劇(インプロ)とビジネスには共通したところが多くあるから、良い即興劇を作るための7つのポイントを学ぶことが、ビジネスにも効果的、という話。中でも一番大事なのは「yes, and」という姿勢、対応。

誰かの発言を、"yes, and"で受けることで、話が広がる、面白くなる。良い即興劇を作るためのほかのポイントは、補完し合うチーム(アンサンブル)を作ることや、失敗を受け容れることなどがあるんだけど、それらも全部"yes, and"につながってる。

現実のお仕事の中で、すべてのことに対して"yes, and"をやらなければならない、ってことじゃない。でも、即興劇の稽古をして、"yes, and"を経験すると、noを言うよりもはるかにパワフルなんだということがわかるんだと思う。その経験を経て、ビジネスに取り入れると、思わぬ広がりを見せるんだよね、ということ。

過去参加したワークショップでも同じことを学んだし感じた。インプロ、とっても興味深い。本を読むより、体験したほうがいい。


読んだきっかけ

コーチ仲間(?)のけいこさんのblogで紹介されてたのをみて。あと、会社で一回インプロのワークショップに参加したことがあったので、興味があった。

note.cocomichi.club


Amazonの紹介文(転載)

Twitter CEOディック・コストロも修業したシカゴの名門コメディ劇団「セカンド・シティ」が、即興コメディをビジネスに生かす方法を開発!創造的な人材の育成、チームワークの強化、イノベーションを促進する組織づくり等の手法を公開する。


この本を読んで、どう行動を変えるのか

自分の生活に"yes, and"をもっと取り入れることかな。twitterとか、"yes, and" で生きるととても楽しくなると思う。

【書評】実践EQ 人と組織を活かす鉄則

今日読んだ本はこちら。

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おススメ度(5段階)


★★★★


学んだこととか感想

まず、邦題は「実践EQ」だけど、原題は「RESONANT LEADERSHIP」で、共鳴するリーダーシップ。EQの高め方について詳しく書いてあるというより、リーダーシップの話。著者も、ダニエル・ゴールマンじゃなくて、EQの共著の方。

中身は、これまで学んできたことがつながってるって感じで、気持ちいい。

  • リーダーは、一緒に働く人と共鳴して、前に進むのがこれからの役割
  • リーダーになったばかりの頃はみな、いい感じに共鳴してる
  • しかし、リーダーになると、パワーストレス(権限を持つことに伴うストレス)を受けることになり、それが自己犠牲、不協和につながり、イケてない感じになっていく
  • それを防ぐのは「再生」がキーワード
  • 「再生」は、「意識の傾注(マインドフルネス)」「希望」「思いやり」によって生じる
  • 再生されると、自己犠牲に陥らず、共鳴するリーダーであり続けられる

こういうことを説いている。イメージだけじゃなくて、一応脳科学的にも論理の通った話みたい。

 

共鳴するリーダーシップそのものよりも再生のキーワードが自分にとっては興味深かった。これらは、取り組むといい感じってことは体感的に理解していた。けれど、これらを通じて「再生」して、「共鳴するリーダーであり続ける」というアウトカムにつながる、というのは、わかりやすくていい。

こういうことを丁寧に説明してくれてるので、このあたりに興味がある人にはおススメ。


読んだきっかけ

図書館で見かけて。EQ関連は好物なので。


Amazonの紹介文(転載)

世界26カ国で翻訳され、ビジネス・ベストセラーを記録した『EQリーダーシップ』の著者チームが、脳・神経科学、経営学、心理学、コーチングなどの研究成果をとりいれて書き上げた、EQ能力開発ガイドブックの決定版。


この本を読んで、どう行動を変えるのか

しっかり、マインドフルネスに取り組むこと。毎日の瞑想を欠かさないことが、自分を共鳴するリーダーに保つことだと信じて、10分程度の瞑想を継続しようと思う。

【書評】他者と働く

今日読んだ本はこちら。

 

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おススメ度(5段階)

★★★★★


学んだこととか感想

既存の方法で解決できることは「技術的課題」、既存の方法で一方的に解決できない複雑な問題のことを「適応課題」と呼ばれてて、僕らが直面する課題はだいたい「適応課題」であること、しかしそれに対して「技術的課題」だと思って対応していることが、うまく行かない根本の原因なんだよね、ということが一番の学びだったかな。テクニックを知り、使えば解決できるわけではない問題ばかりなのに、研修などのアプローチではそれらを「技術的課題」として扱っている感じがある(または受講者はそう思っている)からうまくいかないんだよね。

 

この本では、対話のプロセスを「溝に橋を架ける」と表現してる。そのプロセスは

  1. 準備:「溝に気づく」
  2. 観察:「溝の向こうを眺める」
  3. 解釈:「溝を渡り、橋を設計する」
  4. 介入:「溝に橋を架ける」

としていて、これはすごく具体的でいい。細かくはぜひ書籍を読んでほしいんだけど、この4つのプロセスを知っておくことは、「適応課題」を解決する糸口になる。

 

なんとなくこうすればいいんだろうな、と思っていた、他人とのかかわり方。「相手の立場に立って考えよう」とか、そういうものを、大変わかりやすく解説してくれてるので、おススメです。


読んだきっかけ

twitterで見かけて。結構人材開発界隈では話題になってた本だと思う。著者の宇田川先生をたまたまtiwtterで見つけてフォローしてたのもきっかけのひとつ。


Amazonの紹介文(転載)

すべての厄介な問題は、関係性のなかで起きている。現場で起きる「わかりあえなさ」から始まる諸問題は、ノウハウで一方的に解決できるものではありません。その「適応課題」と呼ばれる複雑で厄介な組織の問題をいかに解くか。それが本書でお伝えする「対話」です。忖度する・論破するでもなく、相手の「ナラティヴ」に入り込み、新しい関係性を構築すること。それこそが、立場や権限を問わず、新たな次元のリソースを掘り出して、組織を動かす現実的で効果的な方法なのです。組織論とナラティヴ・アプローチの超実践的融合。いま最も注目の経営学者、待望のデビュー作!


この本を読んで、どう行動を変えるのか

僕も、自分の想いが強い分野については激しく押しちゃうところがあるのだけれど、まずは「自分のナラティヴを置いておいて、相手を観察する」をもっと徹底するってことかな。

 

【書評】自分の小さな「箱」から脱出する方法

今日読んだ本はこちら。

 

 

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自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

 

 
おススメ度(5段階)

★★★★★

学んだこととか感想

人間関係の改善等に効果的な、自分の「在り方」みたいなものを教えてくれる本。ホント万人におすすめ。小難しい概念を学ぶよりも表現がわかりやすいし、書籍自体がストーリー仕立てで、順番に疑問をほどいていってくれるので、理解も腹落ちもしやすい。

  • 多くの人は、自己欺瞞の状態に陥ってる。これをこの書籍では「箱に入っている」と表現してる
  • 自己欺瞞とは「相手にこうしてあげるといいかな」と思ったことをやらないこと。それをやらないと、それを正当化するようになり、相手を非難したりするようになる
  • 何かのきっかけで、箱に入ったままにもなる。だから「こうしてあげよう」と思わない状態も箱に入った状態
  • 箱に入ってると、成果に集中できない。自分のことばかり気にする。
  • 箱から出るには、「相手にこうしてあげるといいかな」と思ったことをやること。また、箱に入ったままの相手に対しては「自分が間違ってたかも」と思うこと。そして、相手を物ではなく人として見て、興味関心を持つこと。行動を変えることじゃない。
  • 箱の外にいるか中にいるかは、相手にはわかる。

内容としてはこんな感じ。ささっと読めるので、まとめを読むより、ぜひ自分で読んでほしい。


読んだきっかけ

前職で、これをテーマにした研修を提供していたので、家に本があった。3年くらい前にさっと読んだきりだったので。


Amazonの紹介文(転載)

世界150万部の不朽の名作!
テレビ東京「モーニングサテライト」の「リーダーの栞」にて紹介されて大反響!

GoogleAppleMicrosoftなどなど、数々の有名企業が研修に採用!
ラグビー日本代表、五郎丸選手も推薦!

身の周りの人間関係はすべて自分が原因で引き起こしている。
それこそが、本書のいう「箱に入っている状態」である。

「どうして彼は問題ばかり起こすのか?」
「なぜパートナーは勝手なことばかり言いだすのか?」

こうした問題を、私たちは「相手の問題」と考えがちだが、本当の問題は「自分」にある。
読み進めるうちに、家庭や職場での人間関係を深め、十分な成果を出す環境を作る方法を学べる。
世界的ベストセラーであり、日本でも25万人が読んで大反響を巻き起こした名著。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

箱の外にい続けること。「相手にこうしてあげるといいかな」と思ったことを、迷わずやる人生を送りたい。

 

ただ、意識するだけじゃなかなか難しく、良く理解していたつもりの自分でも、本を読み返して思い出すことがたくさんあったので、定期的にこの本を読み返すのが必要だと思う。

【書評】プロファシリテーターのどんな話もまとまる技術

今日読んだ本はこちら。

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おススメ度(5段階)

★★★

学んだこととか感想

タイトルから想像する「ファシリテーション技術が学べるのかな?」という期待には応えてくれない本。どちらかといえば リーダーシップ とか 仕事の進め方 を中心にいろんなトピックを紹介してる。

 

・ロジックだけじゃなくて、相手の心を動かそう

・なんでその仕事を進めたいのか考えよう

・自分ができることを明確にしよう

・理想と現実のギャップをちゃんと見よう

・組織を動かそうとするんじゃなくて、組織を構成する一人一人を見よう

・相手の話を聞こう

 

みたいなことがつらつら書いてあって、いまのぼくにとってはあまり目新しい知識はなかった。

新卒で入社したばかり、というくらいの段階の人には、知っておいてほしいことがまとまってていいかも。ただ、それってこの本じゃなくてもいいよね、という感じ。


読んだきっかけ

以前、ファシリテーションの勉強がしたくてkindleで安く買って、途中まで読んでそのままになってた。


Amazonの紹介文(転載)

 どうしようもないもめごともまとめてしまう、リーダーシップの決定版。今話題のファシリテーター(話をまとめる専門家)が、「話がまとまるとはどういうことか」「自分が本当に望んでいるものは何か」「自分の価値を明確にする」「戦略的に緊張構造をつくりだす」「組織に動いてもらう」「相手主義」「話を聞く」「それでも話がまとまらないとき」という構成で述べていきます。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

とはいえ大事なことは書いてあるので、いろんな仕事における自分にとっての「Why」は何だろうか、は都度問うていく。

【書評】大人のADHD

今日読んだ本はこちら。

 

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大人のADHD: もっとも身近な発達障害 (ちくま新書)

大人のADHD: もっとも身近な発達障害 (ちくま新書)

  • 作者:岩波 明
  • 発売日: 2015/07/06
  • メディア: 新書
 

 

おススメ度(5段階)

★★★

学んだこととか感想

新書で、まさに教科書的にADHDについて学べる本。歴史から症状、社会生活への影響、他の精神疾患との比較、治療方法まで網羅的に紹介されてる。だからこそ、そんなに"面白い"本かというとそうでもないんだけど、ADHDを正しく理解しようとする人には役立つ。

あんまり意図的にADHDをポジティブに持ち上げすぎないところは好印象。本文の締めくくりとして「攻撃性」が強く表れた事例をもってきつつ、序文やあとがきではポジティブな期待を記すのはバランス感覚がいいと思った。

個人的には、不勉強ながら、ADHDはちゃんと疾患として投薬治療の対象で、きちんと効果があるということは知らなかった。併せて心理療法コーチングも有効な治療方法として紹介されていて、内容の詰まった一冊。


読んだきっかけ

 人事としてもコーチとしても、人と対峙する仕事なので、いろんなパーソナリティの種類があることをきちんと理解しておく必要があると思ってるので。ADHDは最近とくによく聞くようになった。


Amazonの紹介文(転載)

 近年「ADHD(注意欠如多動性障害)」と診断される大人が増えている。本書は、症状、診断・治療方法、他の精神疾患との関連などをわかりやすく解説する。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

急に何か変えるようなことはない。ひきつづき、人間について幅広く学んでいきたいと思ってる。