【書評】ラブという薬
今日読んだ本はこちら。
おススメ度(5段階)
★★★★
感想
いとうせいこうさんと、バンドメンバーで精神科医の星野概念先生の対談。軽いトーンで、精神科受診のハードルを下げる、いい本。「あ、俺も行ってみてもいいかな」と思える。
ただ、ちゃんと精神科ってどんなところなのか、臨床心理士とどう役割分担してるのか、どんなクリニックがあるのかなどもわかる内容になってるので、きちんと情報収集もできる。
お医者さんにかかるのが遅くなりすぎないように、こういう本がもっと広まるといいな。
読んだきっかけ
図書館で見かけた。あまり強い意志もなく、ジャケ借り。
どんなことが書いてあるか
- いとうせいこうさんと、バンドメンバーで精神科医の星野概念先生の対談
- 話を聞いてもらうことがどんなに大切か、どんな効果があるか
- 精神科医、精神分析家、臨床心理士の違い。お医者さんにもよるけど、精神科医は診断と薬の処方、臨床心理士はカウンセリングなどの心理療法をやる。精神分析は、もうちょっと毛色が違う
- 星野先生の背景とか人柄。なぜ精神科を選んだのかとか、どんなコミュニケーション取るひとか。
- 少し話が飛んで、映画とか、小説の意味。別の立場があることを想像できることは、カウンセリングにつながる
- ただ話を聞いてくれるだけの存在が、とても効果がある。二人でお茶しながらとか酒飲みながら話すだけでもいいけど、それでうまくいかない人はプロにまかせるのもひとつの選択肢
この本を読んで、どう行動を変えるのか
もうちょっと、精神科とか心療内科への理解を深めたいと思ったので、そういう系統の本をもう少し読んでみる。
【書評】サーベイ・フィードバック入門
今日読んだ本はこちら。
おススメ度(5段階)
★★★★★
感想
組織開発にかかわる人事と、組織を預かるマネージャー以上はみんな読んだ方がいい。
理論もしっかりしてるし、取るべきアクションもわかる。みんなが思ってる疑問とか陥りやすい落とし穴もきっちり示してくれる。
何より構成や表現がわかりやすい。こういう本を書くには、対象に関してめちゃめちゃ深い理解が必要なはず。圧巻です。
読んだきっかけ
今月末にパルスサーベイに関するマネージャー研修を担当するので。もうコンテンツはひとまずできているんだけど、もうちょっとブラッシュアップするために。
読んでよかった。ちょっと内容変えよう。
どんなことが書いてあるか
- なぜサーベイ・フィードバックが必要か。離職防止。マネージャーに武器を持たせるため。
- データをインプットしただけじゃ人は動かない。スループットを意識して、ちゃんと考えてもらうことが必要。
- サーベイ・フィードバックの3ステップは「見える化」「ガチ対話」「未来づくり」。それぞれの解説
- サーベイの選び方。質問項目とかサイクルをちゃんと考える。質問サイクルとフィードバックサイクルが同じじゃないと、マンネリ化する。
- フィードバックミーティングのやり方5ステップ。目的説明、グラウンドルールの提示、データの提示、データに対する解釈、未来に向けた話し合い、アクションプラン作り。
- サーベイ・フィードバックの盲点。やり勝ちが失敗。サーベイ結果を放置しがち、とか。
- 他社事例。メルカリさん、パナソニックさん、デンソーさんの事例。
この本を読んで、どう行動を変えるのか
ちょうど、3月末に研修があるので、そこでこの本のエッセンスも伝えることが、まずできること。日が迫ってるから、来週いっぱいでコンテンツのブラッシュアップにつなげる。
【書評】EQリーダーシップ
今日読んだ本はこちら。
おススメ度(5段階)
★★★★
感想
もともとEQを読んで結構感銘を受けていたので、期待通りの内容。理論も納得なんだけど、EQのトレーニングを施した対象とそうでない対象を比較して解説してくれたり、脳の構造をもとに説明してくれるあたりが、その辺にあるビジネス本との違い。なんとなく著者の経験とか思い込みを書かれるよりも説得力がある。
僕は内容に大満足なんだけど、EQのトレーニングが「理想を描いて、現実を見て、学習計画を立てて、反復練習する」という非常にシンプルなものなので、「なんかもうちょっとすごい発見とかないんかい」と思う部分もあり、★4つとしました。
読んだきっかけ
もともとEQやマインドフルネスを勉強しているので、自然な流れで。
どんなことが書いてあるか
- EQの高いリーダーの4つのコンピテンシー。自己認知、自己管理、社会認識、人間関係の管理ができる人がイケてる。
- リーダーシップには6種類ある。前向きなのがビジョン型、コーチ型、関係重視型、民主型。危険なのがペースセッター型と強制型。たくさん使えるといいリーダー。
- EQリーダーを作るには、5つの過程を経る。理想の自分発見→現実の自分発見→学習計画作る→反復練習→そしてそれを支援してくれる人間関係を作ること。このトレー人を経ると4つのコンピテンシーが成長する。それぞれのステップでコツがある。
- リーダーだけじゃなくて、組織のEQも高められる。組織の場合は、まず組織の現実を見てから理想にいくこと。
この本を読んで、どう行動を変えるのか
僕はこの理論に傾倒しているので、もうちょっと学びたい。会社で導入することはなさそうなので、いくつか書籍に手を出してみることにする。
【書評】ビジュアル解説 IoT入門
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おススメ度(5段階)
★★★
感想
IoT(Internet of Things)で何ができるようになるのかをざっくりと把握するには、ちょうどいい分量。スマート家電とかいろいろ出てるけど、それらを点じゃなくて線や面でとらえるきっかけを作れる。
一方で、ちょっと話を広げすぎじゃない?という感じもある。関連する技術として、AI、ディープラーニングを紹介するのはちょっと遠い感もあるし、「ed-techでパーソナライズされた指導を」みたいな話を紹介してるけど、「それはいわゆるIoTとは違うんじゃない?」と思うものもあり。もちろん定義次第ですが。
あと、IoTでできることの内容はかなりざっくりな一方、「サービス開発はLean & Agileに」などの話も出てきて、ターゲットが良くわからないなぁ、と思う面も。
総じて、シンプルでよい本だと思います。
読んだきっかけ
シンプルにIoTについて知りたかった。会社員としてはインターネットの会社にいるので、こういう知識はとっても大事。
どんなことが書いてあるか
- IoTでどう世界を変えていけるか。ユーザーの情報が集まることがイノベーションを導くという、壮大なコンセプト
- IoT関連技術。ビッグデータ、クラウド、AI、ブロックチェーン、AR、量子コンピューターとかがある。なるべく簡単に説明。
- 住まいは健康、学びや働き方がどう変わるか。モニタリングからの即時対応や改善があらゆるところで起きる。
- IoTによって、ビジネスや産業がどう変わるか。遠隔操作などの表面的なことではなく、膨大なデータを用いたイノベーションが期待されるし、それについていけないと生き残れない。
- 農業、小売り、モビリティ、エンタメも変わる。それぞれの領域にどんな関連企業がいるか。
- IoTを新規事業としてビジネスに取り入れるときの注意点。どういうチームで、社内とどんな関係性を持っていくといいか。(参考程度)
この本を読んで、どう行動を変えるのか
スマート家電を製造している会社が、どう商品をアップデートするかが注目しどころ。ネットにつなげることができるものを買ったら、なるべくつなげようと思う。
【書評】SNSカウンセリング入門 LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際
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おススメ度(5段階)
★★★★
感想
自社だからってわけじゃないけど、いままでになかった、テキストコミュニケーションによる相談体制を作って成果を上げてる取り組みは、すごく有意義だと思う。
書籍自体の内容も、みんなが思う疑問には真摯に答えてメリットデメリットをきちんと共有し、データからニーズや有効性について説明したり、現場の大変な様子を事例やコラムで共有している点が、むやみにSNS相談を持ち上げてなくていい。
いつか、オンラインコーチングなんかも、できそうだね、と思える1冊でした。
読んだきっかけ
前からの本の存在は知ってて読みたいと思っていたところ、図書館にあったので。図書館は素晴らしい。
どんなことが書いてあるか
- LINEによる相談に関するシンプルな疑問への回答や、メリットデメリット。資料をあたったり、記録を残せるメリットの一方、非言語情報が取れないなどのデメリットは紹介しつつ、それでも「LINEでの相談は有効」と結論。
- 統計データから、相談数や相談者の属性。すごくニーズがあることがわかる。
- LINEによる相談技術。対面だとやりがちな「オウム返し」は有効ではなく、積極的に質問したり、聞いていることを示すことがわかるやり取りが大事。
- 体制。スーパーバイザーがついて、複数体制でやってる。
- 一般的な相談の流れと、架空事例。架空事例は、LINEのやりとりの画像に解説付きで、リアルに伝わる
- 今後の課題。有効だけど改善の余地もやっぱりある。
この本を読んで、どう行動を変えるのか
自分のあたりまえを疑うこと、かな。事例は知ってたのに、これを読むまでは、テキストでのいじめ相談なんて有効じゃないだろうと思い込んでる部分あった。
まだまだ、いろんな可能性がある。「〇〇はこういうもの」という思い込みが、可能性を閉じてしまっているかもしれない。そんなの嫌だから、当たり前を疑う。
【書評】なぜ社員はやる気をなくしているのか
読んだ書籍から学んだことを書いています。1分で読める書評。
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おススメ度(5段階)
★★
感想
2007年(13年前)の本なので、内容が古い感じ。リーダーシップではなく、「スポンサーシップ」なるものが社員の内発的な動機を刺激するというはなし。サーバントリーダーシップみたいな言葉がだいぶ一般的になってる今は、あまり目新しい話は無かった。
また、あまり具体的な解決策がないのも、実効性に乏しい内容。
むしろ「いままでのやり方はここがダメ」という指摘が強すぎる内容や文体が高圧的なので、読むのが疲れる。この著者自体がスポンサーシップ的な要素を持っていない印象を受ける。
そういうのを導入する「コンサルタント」だから仕方ないのかもしれないけれど。
読んだきっかけ
図書館で見かけて。タイトルで何となく選んだ
どんなことが書いてあるか
- 人は内発的動機で動く。
- 内発的動機が失われた理由は、人間関係が希薄になり、上から言われるだけになってるから。昔はもっとウェットなコミュニケーションが多く、その分細かくサポートできたけど、今は効率ばかりでそうもいかない。
- 内発的動機を喚起するためには、押し付けではなく、対話をしたり、セーフティネットを作ったりするような、メンバーをサポートするような行動が必要。
- こういう改革は、会社全体ではなく、小さな組織単位で進めるといい。
この本を読んで、どう行動を変えるのか
メンバーを支援するようなリーダー像が重要であることはよく認識しているつもりなので、引き続きそれを実行に移し続けることかな。新しくはないけれど。
【書評】ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現
読んだ書籍から学んだことを書いています。1分で読める書評。
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おススメ度(5段階)
★★★
感想
すごく、ブロックチェーンの可能性を信じてる内容。ちょっと、信じすぎちゃってて現実味がない感じがするので、その点はマイナスだけど、ブロックチェーン技術で世界がどう変わりうるのかを知るにはいいきっかけ。初歩的な話でいうと、ブロックチェーンの話は、仮想通貨のことばっかりじゃないんだ、とかね。
なんだか、こういう可能性を信じている人たちがある一定量になると、インターネットが普及したときみたいに、急にブロックチェーン技術が世の中に浸透するのかもしれない。
その時に乗り遅れないように、キャッチアップする必要はあるよね、と思える内容でした。
読んだきっかけ
昨日の書評と同じで、会社で仮想通貨事業とかブロックチェーンの部門があるので、もうちょっと詳しく知っておきたかった。
どんなことが書いてあるか
- ブロックチェーンのすごいところの紹介。改ざんできないことと、中央管理じゃないから管理コストがかからないことがすごい
- ビットコインをはじめとして、銀行業や証券業などの金融業への応用で、どう変わるかを実証実験などとともに紹介。とにかく信頼できてコストがかからない、って話
- 何らかの記録の証明として、登記などに使ったり、IoTに活用したり。IoTは特にセキュリティが大事なので、動作ルールを変更されたりしないように、ブロックチェーンが活用できる
- Dapps(ブロックチェーン技術をつかったアプリ)とかDAO(分散自律型組織)のはなし。Dappsの事例の紹介。でも、うまくいってる事例はビットコインくらいしかなくて、他はいろんなチャチャが入ってうまくいかなくなってる。
- 上記を活用して、誰か特定の人に管理されない、フラットな世界を実現できる。裁判や政治も、不正なくできるようになるはず。
この本を読んで、どう行動を変えるのか
ちょっと、夢物語感もあるんだけど、やっぱりブロックチェーンで何ができるのか、見てる必要はあるね。ってことで、やっぱり仮想通貨の口座を開くしかない。ブロックチェーン技術の関連会社の株式があれば、買うんだけどなぁ。