1分で読める書評 -kasablog-

さらっと読める書評。1日1冊ペースで更新しています。

【書評】木のいのち木のこころ(天・地・人)

 

読んだ書籍から学んだことを書いています。1分で読める書評。

今日読んだ本はこちら。

 

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

 

 

おススメ度(5段階)

★★★★

人材開発の担当者としては、大変学ぶことが多い内容。人の育成の本質に触れられる。

ただし、現在の育成施策に反映することは難しい内容でもある。

 


読んだきっかけ

twitterで紹介されているのを見かけて購入

どんなことが書いてあるか

  • 法隆寺の宮大工である西岡常一氏、その弟子である小川三夫氏へのインタビュー
  • 西岡氏の、宮大工の百年~千年単位での仕事の考え方や、弟子である小川氏、さらにその弟子たちの徒弟制での育成の考え方の紹介
  • 何よりも基礎が大事。でも、手取り足取り教えても本当には身につかない。手本を見せて、「こうやるんだ、やってみろ」だけ。
  • 本人が心の底からやりたいと思うまでやらせない。心底やりたいと思ったら、勝手に学ぶ。
  • 一方で、時間をかける。何年かかってもいいから、自分で癖を認識して直さないと、基礎は身につかない。
  • 技術だけでなく、仕事への向き合い方など、あらゆるものを学ぶ必要があるから、寝食を共にする住込みで弟子になる。
  • 一人ひとりは違うので、それぞれに合った指導が必要。だからたくさん弟子は取れない

感想

この育成方法は、現代のビジネス社会では採用することは難しいし、求められてもいないだろう。

しかし、人を育てることの本質は、こういう考え方、取り組み方にあるのだと考えさせられる内容。

「即戦力化のための効果的・効率的なオンボーディング」みたいな考え方だけが良い人材育成ではないのだ、ということを考える大変良い機会となった。

この本を読んで、どう行動を変えるのか

仕事よりも、まずは子どもたちに対する接し方には反映させたい。

何年かかってもいい。すぐに効果や成果を求めずに、人生単位で子どもたちに接する心構えを持つ。


どんな人がこの本を読むといいか

人材育成・人材開発にかかわる方には、ぜひ読んでほしい。