【書評】大本営参謀の情報戦記-情報なき国家の悲劇
読んだ書籍から学んだことを書いています。1分で読める書評。
今日読んだ本はこちら。
おススメ度(5段階)
★★★
旧日本軍の失敗から、情報の大切さを学べるという点では非常に参考になる。ただし、話が情報活動に偏っているので、総合的に失敗から学ぶのであれば「失敗の本質」のほうが優れた研究だと思う。
読んだきっかけ
本屋で見かけて。僕は元陸上自衛隊の幹部なので、ちょっと気になって手に取った。
どんなことが書いてあるか
- 大本営の情報担当や戦後のドイツの駐在武官を歴任した堀栄三氏の回顧録で、情報将校としての様々な場面を紹介
- 欲しい情報はすべては揃わないが、その中で読みとか勘も使いながら、何とか状況を読み解く必要がある
- 情報を軽視し、憶測や思い込みで間違った情報を集めたり、信じたい情報だけを信じたりしてはならない。必ず負ける。
- 現代に適用すれば、戦場はマーケット。どちらも、情報を制することが最大の武器になる。
感想
大東亜戦争時の様子を細かく描写する内容自体、読み物として大変面白い。
また、情報の重要性を強く感じさせられる語り口。
情報に関しては、先日読んだ仮説思考や論点思考に通ずるものがある。情報を集めて適切に分析することが大事で、作戦重視・精神論重視でこれを軽んじてしまうと負けてしまうということを嫌というほど味わわされる。
この本を読んで、どう行動を変えるのか
何か施策を考えるときには、きちんとデータを参照する。全部は揃わないけど、その中から論点を設計し、仮説を立てていく。基本だけど、これを忠実にやる。
戦争でいう作戦重視は、現代ではソリューション重視、プロダクトアウトで、そうならないように留意する。完全には揃わないユーザー情報からニーズを汲み取っていくという仕事の仕方を改めて徹底する。
どんな人がこの本を読むといいか
起業家に読んでほしい。これから自分の想いを実現しようとするときに、世の中のほうも見ないと成功は難しそうなので、それを考えるいいきっかけになりそう。